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小説『パンク詩小説「文化大革命その2」』

最終更新日:2008年11月9日
「ベル・アンド・セバスチャンによせて」

ベルセバを聞いて、歌詞を読んで、目覚めました。近頃変節して、軽いタッチになってました。ごめんなさい。多くの人のアクセスが欲しくて、自分を崩して、文章を書いていました。文学から離れることはもう永遠にやめにします。成功と文学創造の喜びは決定的に違うものだ、成功と創造は無関係なんだとベルセバから教えられました。もうお金儲けのために文学を利用したりしません。創造の力はもっと有意義な目的のために使います。大切なものを見失っていたけど、本当に欲しかったのは創造していく喜び。


「sonic youth」

靴を踏み続けても誰も帰ってこない。頭が半分ずり落ちて脳が露出する。いつも誰かが僕の命をかすめとっていた。僕は何回もやつらの命を欲した。誰もが死んでいる。誰もが生きている。誰も関係ない。

黒いパンツ。黒い命。黒い聖地。遠い壁。砕いても砕いても上からふってきて、光祈り希望夢誰も分からない誰も祈らない誰も欲しがらない誰もが苦しんでいるのに誰も何も答えてくれないどこにも出口がない行き場がない夢もない歩けないもう死にたい。

もう死にたいもう死にたいだけど生きている。特に死ぬ努力もせず生きる努力もせずどこにも出口を見出せずに苦しんで苦しんでこれは僕の言葉じゃない誰かが僕を利用しているいつも利用されているお前は誰だお前は何も言わないかわりに僕の口から何かが出てくるだけ誰も誰も何も感じない何も感じないから歩けない。

いつもいつも君はいつも僕を見つめていた黒い瞳深くにごって黒い瞳誰も何も言わないずっとにらみつけて時には微笑んで満足かそんなに満足か。

誰かが笑っているけど誰も何も答えない僕らはもう三十万年も生きている三十万年も笑っている何の進歩もないそれでも誰も批判しない批評しないこれ以上生きていけない世界は爆発しているこれ以上生きるのは辛い辛いけれど愚痴を言うことも禁止されている管理されているし管理されていない誰も何も言えないうわっつらで滑って心はひからびて誰も面倒見てくれなくて一人で生きていくしかなくて

そんなことは思いこみだ誰も何も注意しないくるしいくるしいくるしいくるしいと叫ぶと怒られるから何も言わない。


「オルタナティブ」

辛い苦しい早く帰りたい帰る場所はどこにもないどこにもないけどどこかにある。いつもいつも人が焼け死んでいた毎日毎日人が死んで腐って終わって最後まで行けなくて、行けないからこそまだ行きたくて。早くどこかに消し飛んでしまいたい。消えたい消えたいこの世から消えたい。僕の体はもともとこの世界に不適切。誰もかえりみない人を愛する人を何本もの矢で射ぬいてやろう、誰も見ていなくてもかまわない音速で僕は死んでいく。みんな死んでいく。駆け抜ける駆け抜ける誰もが駆け抜ける誰も止められない誰か止めてくれ僕はいつも止まりたい。早く休憩したい苦しい苦しい僕はずっと休んでいたい終わりのない昼休みいつも食べる亡骸。

凍りついた人たちいつも冷笑している誰もが笑っている僕は笑われているけれど笑い返すことができないいつもこうだ何者にもなれずどこまでも脱線していっていつのまにか子どもになっている子どもから子どもが生まれる誰も親になれないいつも殺される。早くいきたい輝きたいいつも葉が輝いている誰も気にしない太陽は終わった。僕から光が逃げるいつもどこかで誰かが苦しんでいるけれど僕は助けない助けることができない早く助けてあげて呼ぼう呼ぼう呼んでもだれもこない。

毎日続く退屈な繰り返し誰も反省しないいびきをかいて寝て眠りを妨げられていらついて殺したくなって殺されていつも反省して苦しい苦しい言って心の中でしか言わないからいつも誰かに馬鹿にされる。黒い顔黒い雨黒い死体。いつもいつも転がっている誰も助けてくれない自分の力で生きていくことができない。けどいきたいいきたいもっといきたいどんどんいってしまいたい。


「土砂崩れ雪崩レイテ」

毎日人が死んでいる今度は滋賀県子供の腹に刺身包丁が刺さって苦しんでもがいてもがいて。Seesaaに障害をおこした犯人は私です。私のせいで全ブログがダウンしました私が汚い詩をここに書きつけたせいです誇大妄想では有りません事実です事実です志望脂肪死亡乳房乳房もみしだいてもみしだいてレイテ戦記爆発世界は大地震心が揺れる揺れる誰かがわめいている小学生がわめいている子供が死んでいく赤十字に血がつく人々が撹乱してまだ死んでないそうだまだ死んでないんだいつもだいつも人々が死んでいく黙って見つめているだけでいいのか何か活動するのか誰も救ってくれないわめきあがくなら誰かのために立ち上がれ苦しい苦しいもがくもがくひとひとひと心がまた一つこの世界から消える。

誰かがいつも見張っていて疲れた私は雑誌を手に取って歯医者で殺される。

また児童虐待虐待馬で馬でさらってさらって調教調教もうやだやめてお父さん注射はもうやめて。苦しい痛い誰もがさされてるぶっといの刺すのもうやめて苦しい苦しい母親に殺される。



パンク私小説「財布なくしました」

 日曜日の朝、起きて、着替えて、外に出ようとして、財布がないことに気づく。部屋中探してみるが見当たらない。すぐに、昨日の夜、「祖師谷温泉21」の休憩室に落としたのではないかと気づく。
 温泉あがりに休憩室奥にあるマッサージチェアを利用した。いつもはダウンジャケットのポケットに財布を入れているのだが、マッサージチェア利用中はジャケットを脱いで床の上に置くため、昨日は財布をパンツのポケットに入れていた。入れてすぐ「落ちそう」と思ったのだが、早くマッサージ利用したいために気にせずに初めてしまった。最後にお金を利用した記憶はその場面。マッサージ中に財布がポケットから椅子の上に落ちたのか、歩いている最中にポケットから落ちたのかわからないけど、多分祖師谷温泉で落としたと推理。電話しようかどうしようかこたつの中で悩んだ後、ネットで電話番号検索して電話。耳慣れたおかみさんの声が聞こえる。財布の忘れ物がないか確認したら、届はないとおっしゃる。温泉で財布が落ちていたら、盗難しようと思いやすいかもしれない。温泉はデパートとかレストランより遥かに財布が床に転がっていやすいだろう。レストランで財布見つけたら届けようかなと思うけど、温泉で財布見つけたら、私でもこっそりいただこうかなと思ってしまうかもしれない。
 おかみさんはないと言ったが、自分の眼でも確かめたいと思い、十四時オープンしたらすぐ温泉に行こうと決意。しかし、財布がないと何も買物できない。キャッシュカード、クレジットカード、免許証、保険証、いろんな会員証、定期券、四万円、全部財布の中。食事にもいけない。家の中にお金がないか調べた。とりあえず銀行の通帳と、リュックサックの中に何故か財布にいれているはずのクレジットカードを発見。昔のカードかなとも思ったけど、念のため持っていく。
 日曜日の銀行のATMに行って、通帳でお金を引き出そうとしたが、キャッシュカードがないとお金をおろせないことがわかりいらつく。通帳では通帳記入作業しかできないため、とりあえず記入してみる。お金を誰かにおろされた形跡なくやや安心。その後クレジットカードをATMに入れて、暗証番号入力し、一万円キャッシングに成功。このクレジットカードは確かに財布に入っているはずの現役カードだった。何故リュックサックに入っているのだろう。これも運命か。
 ビルディで食事して、十三時半に図書館に向かい、借りていたCD,本を返却。その後、ストーンテンプルパイロッツ、ダイナソーJr.、ロッド・スチュアートのCDと、町田康のエッセイ二冊、リーダーシップの本、組織学の本、ナレッジマネジメントの本を借りる。町田康の本とビジネス本を一緒に借りるこの組み合わせはどう考えてもミスマッチと思うのだが、やっぱりどっちも読みたい。借りようとして、図書カートも財布と一緒に紛失していたことに気づく。紛失の旨告げて、再発行の手続き。免許証か本人確認できるものと言われても、クレジットカードしか持っていない。クレジットカード裏の自筆サインでなんとか本人確認すまし、カード再発行完了。温泉に向かう。
 祖師谷温泉で昨日と同じように風呂に入り、昨日と同じようにマッサージチェアソフト指圧コースを体験。チェアのまわりを探すが、財布は見つからない。指圧中に、昨夜は二回マッサージ受けたことを思い出す。ポケットに入れていた財布を、一回目のマッサージ終了後、私は外に出していたのだ。百円投入した後、財布をどこに戻したか思い出せない。いつも通りジャケットのポケットに入れたか、またパンツのポケットに戻したか、チェアのひじかけにでも置いたのか。百円十分と書かれているので、百円玉を入れた後すぐコース設定を終了させないといけないと考えていたため、財布の収納作業がおろそかになっていたのだ。
 マッサージ終了後、受付に行って鍵とタオルを返却。げた箱で何故か財布落としてないか確認してみようと思い立ち、身体を調べたら財布がまたない! 受付の床を見たら、学生時代使っていた緑の財布が落ちていた。昨日と同じようにパンツのポケットに入れていたのだが、マッサージの刺激で落ちやすくなっていたのかもしれない。私は昨日に続いて二回連続で財布を落としてしまった。
 自転車に乗って移動。昨日ひょっとしたら温泉内でなく、自転車移動中に財布を落としたのかもと思い、いまさらながら駄目元で道路を注意深く観察。帰宅してすぐ成城警察署に行こうかなとも思ったのだが、先にキャッシュカードとクレジットカードの使用中止を申し込むことにする。日曜日だけど素早く完了、見つかっても前のカードもう使えませんよと注意を受ける。運転免許証や保険証も再発行頼まなきゃいけないが、こっちは国相手だから平日に行かないと無理っぽい。なんだかいろいろ面倒。
 重い腰をあげて成城警察署に。日曜日でも当然やっていた。財布と運転免許証の紛失届けを出しにきたのですがと言うと、名前を聞かれた。届け出があったか手元のノートを確認する職員さん。なんと財布は警察に届けられていた。よかった。
 ちょっと待って下さいと言われる。奥に私服の職員さんが向かう。上司らしき白髪の制服警官がやってごたごた言っている。紛失届を書くよう言われ、何が入っていたか書く。私の他にもう一人、携帯電話を取りにきた男もいる。紛失届を書きながら、壁を見ると、オウム事件捜索中の二人の等身大像が立っている。顔写真の他は七十年代恐怖映画あるいは紙芝居のような絵の全身。チェックのシャツにジーパンはいてポーズ決めてる二人は、実にかっこ悪い。オウムの二人の隣には、世田谷一家惨殺事件の「犯人はこんな格好です」というポスターも張ってある。ジャージ姿の若者。
 財布は会計課の管轄だそうで、会計課の倉庫から持ってくると私服の好青年は言っていたのだが、上司が来てやかましく何か言っている。実にカフカ的な官僚の事務的光景。会計課職員の携帯に連絡して、日曜日でも倉庫から物出せるか確認をとっている。携帯電話紛失の人と、財布紛失の人二人が偶然集まって待ってるんだから、すぐに出してくれたらいいのに、結果は平日じゃないと倉庫から物出せないということに。実に官僚的。ファック。
 月曜日の朝八時半以降電話して下さいと言われる。携帯電話なくした人は平日なんて休みとれないからいつ来れるかわかんないよと文句言ってる。八時半に電話してすぐ警察署行ったら、すぐに財布返してもらえるか聞いたら、奥の倉庫から取り出すので時間がかかってしまうかもという回答。これまた官僚的。すぐにサービスしてくれたらいいのに。まあ彼が今この場で出したくても、事務手続きを守る上司のおやじが反対するだろうし、別の課が絡んでるからだめなんだろうけど。
 見つかったから手間がはぶけてよかったのだけど、なんか嫌な気分。来週平日休みをとって、警察署に行き、銀行にカード再発行の手続きを取る必要がある。
 警察署を出た後、ロイヤルホストで祝いの食事。支払いはクレジットカード。本人サインなしで処理が済んでしまった。カードを盗まれていたらと思うとこわい。



新人賞応募用に書いてみたけど、どう考えてみたって今のおとなしい新人賞制度では下読み段階で黙殺されてしまう前衛作品ネットで公開シリーズ最新作。


パンク詩小説「文化大革命 その2」

 文化大革命って最もエキセントリックな前衛芸術運動だと思ってたんだけど、どうも恐怖政治っぽい? パンクじゃないの? 俺が本当の文化大革命達成しちゃる。



 私の身体は乾いていた。商業に媚びる小説など書きたくない。私が欲していたのは魂が揺さぶられる問題小説だ。
 何も新人賞なんて狙わずともいいではないか。私が欲していたのは社会的成功でなく、人生の充実であり、喜びであった。人生が充実した結果、社会的成功がついてくるはずだった。
 私本人は社会的に成功していないと考えているが、それは自己憐憫というもので、実際私は多くの人の役に立っている。小説を書いているより、昼間仕事している方がよっぽどみなに愛されている。しかし私はこんな愛され方など人生に不必要だと思っている。私が欲しているのは小説を書くことなのだ、たとえそれが誰の役にも立たずとも、小説とは実はそういうものだから。すぐに答えが還ってくるはずのないものを私は書いているのだから成功はあきらめよう。


 
 彼女は何度もピアノを弾いていた。ピアノを弾く彼女の指は小刻みに震えていた。私は彼女の指運を眺めながら、ウィスキーを飲んでいた。
「本当に何もないところね。私、鳥肌がたってしょうがない」と彼女が言う。
 私は彼女のウィスキーグラスを手に取り、ピアノの胴体に投げつけた。グラスは粉々にくだけた。私はピアノの鍵盤の上に立って、彼女に向かって飛びかかった。彼女は椅子ごと床に倒れた。ただそれだけだ。
 
 私は息をするのが怖かった。吐くのも吸うのも嫌だった。これ以上もう歩いていけない。人生の先は暗い。なんとか歩いてみても、肩は痛み、君は遠ざかり、僕は自分の頭をなでるだけ。君の体に吹きつけよう。最後の夜。希望の痛み。

真っ黒な机の上。お母さんがつっぷして寝ている。誰も起こさない。子供はぐったり。
子供はぐったり。物語なんて必要じゃないんだ。

 これ以上もうどこにも歩いていけない誰もいない誰かがわめいているだけ。誰もいない誰かがわめいているだけ。苦しい苦しい苦しい死にたい死にたいもう死にたい死んでしまいたいお前のために俺はほえているんだこれからもずっとなお前はカリスマの死体。慕われて腐敗して祈ってやる救ってやるといって美人を気取るお前の体にジュースを注入する。

  誰も何も言わないでそっとしておいて。彼は死んでしまうから。そう、そうっとしておいて。

黒いパンツ。黒い命。黒い聖地。遠い壁。砕いても砕いても上からふってきて、光祈り希望夢誰も分からない誰も祈らない誰も欲しがらない誰もが苦しんでいるのに誰も何も答えてくれないどこにも出口がない行き場がない夢もない歩けないもう死にたい。
 もう死にたいもう死にたいけどまだ生きている。特に死ぬ努力もせず生きる努力もせずどこにも出口を見出せずに苦しんで苦しんでこれは僕の言葉じゃない誰かが僕を利用しているいつも利用されているお前は誰だお前は何も言わないかわりに僕の口から何かが出てくるだけ誰も誰も何も感じない何も感じないから歩けない。
 いつもいつも君はいつも僕を見つめていた黒い瞳深くにごって黒い瞳誰も何も言わないずっとにらみつけて時には微笑んで満足かそんなに満足か。
 誰かが笑っているけど誰も何も答えない僕らはもう三十万年も生きている三十万年も笑っている何の進歩もないそれでも誰も批判しない批評しないこれ以上生きていけない世界は爆発しているこれ以上生きるのは辛い辛いけれど愚痴を言うことも禁止されている管理されているし管理されていない誰も何も言えないうわっつらで滑って心はひからびて誰も面倒見てくれなくて一人で生きていくしかなくて。
 そんなことは思いこみだ誰も何も注意しないくるしいくるしいくるしいくるしいと叫ぶと怒られるから何も言わない。
 
 どうしようもない体泣き叫ぶひきつる背中子供が泣いている母親は死んでいるこれ以上どこにも歩いていけない前かがみでしゃがみこんで無念の死。最初に泣いたのは君だ君は笑っていた泣いていた苦しんでいた生れたばかりでよだれを垂らしていた。こんな気持ちで生きていたくないもっと明るい場所があるはず暗くおちこんで眠って太陽は昇らず人々の死骸が転がってばかり。だから君は笑うだろう。これ以上もういいというだろう。言う言う。


 僕は何も書いていない誰かが書いている十年前に死んだ彼が叫んでいる笑っている泣いている殺されている無念。



 甲状腺が腫れてまた腫れて


誰かがあなたを殺している。もう少しだけ歩けば死体に巡り合うだろう笑い飛ばしてしまえ殺してくれもう一度だけ。もういい生きていくのが嫌だ。何の楽しみもないこれ以上だらだら暮らして何がもらえる何ももらえない誰も何も欲しないだろう後は死体になるだけ。

黒い目玉をくりぬいて。最高の力。最高の喜び。最高の人々。最高の人々が地上に降りてきてみんな食べてしまう僕も食べられる誰もとめられない。誰かが泣いている子供は毎日殺されているみんな泣いている。こんなくそみたいな世界で生きていくのもうやだ。

丸い画面のど真ん中で体が裂けて新しい子供が生れる。ジーザスクライストスーパースター。最後の日、街は燃えさかり、人は死にまくり、僕も死に君も死に、死体の香り濃厚な街でまた一人死んでいく。生きながら死んでいく君。死体の中で輝く美しさ。戦争につぐ戦争。誰もとめられない生れたばかりの子供が死体になって土とかす。

交流不能逆行不可能なリズム誰もが黒い黒い塊。命祈りこそばゆい人死ぬ死ぬ死ぬ。世界中を爆破して教えてもらった原子爆弾の解体方法。十時になったら終戦だ。もう外を歩きたくない。子供が死ぬ人が死ぬ僕が死ぬ誰からも相手にされない人々は死ぬ。

子供子供子供子供たちの死骸をまたいで歩く最後の大馬鹿者。プレッシャー大きなプレッシャー前に向かって歩けない新しい領域を切り開けない誰もが死んでいく無気力無感性無感動。

燃え尽きろ破壊しろ破れつっつけ殺せ殺せ殺せもう殺してくれいっそのこと吹き飛ばしてくれ殴りまくってくれブラザー子供が泣いている母親が子供を殴る蹴る罵倒する世界で。

最初に生まれた子オージーザスクライストスーパースター。マザーファッカーは空で核爆発。中性子の真ん中で人が死んでいく。呪われた世界僕の体の一番はじっこ。

そのスイッチを切るんだ。そうだ早くキルんだ。もう我慢できないいい加減やめて欲しい。誰かが叫んでいる。爆音に告ぐ爆音。爆風。子供は死に母親は死にお父さんは自慰ばかりしてる。真っ白なお父さんの頭。瞳も真っ白。血ばかりしたたって僕は凍え死ぬ。

 斧を振り下ろせ。もう一度叩き殺せ。殺せ殺せ殺せ。街中の人が死んでいく。もう一度あいつをたたき殺せ。暴力の発露の末、もう一度死刑求刑。

 誰もお前の命なんて欲しがってない。誰もお前の心なんて欲しがってない。誰も君じゃない。君は死体空飛ぶ死体。もう一度地面におちてぐちょぐちょの死体になる。

 進歩も発展も拒絶して初期衝動に揺られてテンションあがらず死んでいく。

誰にも体をあげない私の純潔神様がいつも見ている。本当に欲しいのはあなたの体。私は輝きたい。光になってあなたを殺してしまいたい。

 もうどうでもいいこんなこと。世界が破滅すればいい破裂すればいいこれ以上こんなところであがいていてもどうしようもない早く外に出たい外に出て大きな声で歌いたい。くるいたい死にたい終わりたい命燃え尽きたい。

 勇気をくれ生きる勇気をそんなものがあれば嬉しいけれど。

 誰にも体をあげないひからびた体の残りかす。吸って吸ってもっと吸って。吸い尽くしてひからびてしまうまで終わりにして。

何を書けば報われるのだろう。何を人は求めているのだろうだろうだろうどこまでいってもそうだろうずっと迷っているだろうこれ以上どこにもいけないだろう迷い続けて悩み続けてどうすればいいのだろうこれ以上どうすれば?


 脱力。とことん脱力した体で空を眺める。誰もいない。窓の外には誰もいない。僕は窓を閉める。神様が笑っている。神様はいつも微笑んで、見守っていて下さる。私はあなたのしもべ。あなたの望むままに務めを果たします。私はどこまでもあなたの味方。あなたのために私の人生がある。私は力強く生きたい。強く強く生きたい。どこまでもとんで行きたい。

 
 何故人はそんなにも強さを求めるのだろう。私は強くなりたい。どこまでもいつまでも。世界中の女性から愛されたい。たいした希望。どこまでも絶望。果てしない絶望だ。もう生きていく望みもない。どこかで誰かが私のことを必要としていると思いながら、何とか生きていくしかない。誰が必要としてくれよう。
 

 生きていくよりもさらに辛いこと。何かを願うこと。何かを期待すること。愛されたいと願うこと。
 
 悔しくて歯をくいしばる。そんな努力ももう必要ない。どこまでも続く。脱力。


 僕はまた体をひねった。何度体をひねっても、相変わらず左背中が痛い。僕は毎日痛みを感じている。指にも背中にも。いつもいつも。僕は生きていたくない。死にたくはない。生きていたくないだけだ。そんなことを口にすると不幸になりそうだから、僕は生きているのが楽しいふりをして生きている。ただの道化だ。
 怒りをぶつける時が来た。僕は刃を手にする。僕は刃をふりかざす。刃は誰も傷つけない。傷つけるのは言葉だ。繊細なあなたを駄目にするのは言葉の重み。図太い神経で生き抜いていけたらいいのに。
 僕は完全に脱力して好きな言葉だけを聞く。ベルセバにモリッシーにクラッシュに続けて言葉を起こしていく奇妙な隣人。


(2006年2月〜3月創作)
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