サン・テグジュペリ『星の王子さま』
最終更新日:2008年1月27日
(以下の書評は2007年2月18日にブログにて発表済です)
途中から、自分は王子の星に咲く花だと思いながら読んでいた。プライドが高く、自分の非を認めず、問題の原因を他人のせいにする一輪の花。寂しがりやなのに、さも自分は寂しくないかのように振る舞い人を見下す花。
王子は星に残してきた花のことをずっと気にかけている。「あんなわがままな花のことなんて気にしなくてもいいのに」と思いながら、王子の話を読んでいた。王子がそこまで大切に想うほど彼女はいいやつじゃない、王子にはもっとふさわしい相手がいるのに、なんで王子はあの花のことを気にかけてくれるんだろうと不思議だった。
耳の長いきつねが「絆をつくる」ということについて、王子に語りさとし、王子がますます花に想いをつのらせても、花がそこまでのものかと想い続けた。
読み終った時は、なんだかサン=テングジュぺリに、自分自身のことを大切にしていいと教わった気がした。数字とか論理とか成功とか見栄とかそういうものに自分の人生を重ねていっても、自分自身楽しくないし、自分とつきあっている人たちも楽しくないだろう。
COPYRIGHT (C) 2003 HAL HILL. All RIGHTS RESERVED